烏龍茶と緑茶は同じ茶葉からできる?種類や歴史など中国茶を深堀り!

目次

中国茶の概要や分類など

中国茶は中華人民共和国と台湾を中心に親しまれているお茶です。

中国茶には六大茶種と呼ばれる中国や台湾で人気を博しているお茶があります。この6種類のお茶は全て同じ茶葉から作られていて、発酵度合いにより味が変化します。今回は6大茶種と呼ばれるお茶の概要や分類といったことを紹介していきます。

中発酵の烏龍茶!発酵度は茶葉により大きく異なる?

烏龍茶は約12時間発酵させ、発酵後加熱処理を加えて味を仕上げていくことにより味わいが深くなり皆様が知っているお茶になります。

烏龍茶の発酵度合いは、20%から80%と種類により茶葉の発酵度が異なるため、半発酵茶とも呼ばれ発酵過程の最中に茶葉が銀青色に変わるため青茶とも呼ばれるお茶になります。

お茶の製造過程で茶葉が揉み込まれて作られていて、茶葉の形が一つずつ変化し球状や曲がりくねった棒状の形になっているなど葉の形が1つずつ異なります。

烏龍茶は葉っぱの色が黒になっていて鳥のように黒く見えることから名前の由来になっています。

代表的な烏龍茶の種類には、凍頂烏龍茶、東方美人、武夷岩茶、鉄観音など多岐にわたる種類があり、発酵度合いや茶葉の種類により味が異なるためお好みの茶葉を探してみてはいかがでしょうか。

発酵させない緑茶!家でよく飲む緑茶とは?

緑茶は茶葉を摘み取ったのちに加熱処理をおこない、酸化発酵することがないようにしたのもが無発酵のお茶です。加熱方法は主に釜で炒ることで製法しますが、一部の地域では蒸して酸化発酵を止めることもあります。発酵させないことにより渋みを残すことができます。

中国での緑茶は主流で飲まれていて、中国全体で飲まれているお茶のうち約70%から80%と多くの割合を占めている茶葉です。

緑茶の茶葉の種類は数多くあり、龍井茶、黄山毛峰、信陽毛尖、碧螺春といった多くの茶葉があり、中国で最もポピュラーなお茶の種類として人気です。

発酵させきり作る紅茶!

紅茶の茶葉を乾燥させて、最後まで発酵させるために徹底的に揉み込んで仕上げる製法で作られるお茶です。なぜ紅茶と呼ばれているのか名前の由来は、お茶を茶碗の中に注いだ際の水の色が赤くベニのような色をしていたところから来ています。中国の紅茶の製法は多岐に渡り、イギリスなどで楽しまれている種類の製法おもあれば、煙で燻して作られたような香りがする茶葉まであります。祁門紅茶(キーマン、祁紅)と呼ばれる茶葉は、安徽省祁門県付近を原産としていて、滇紅は雲南省鳳慶県や昌寧県の周辺を原産としているなど各地で飲まれています。

若葉中心の白茶!専門店で人気のお茶とは?

白茶は茶葉の中でも特に芽や若葉を選び使用されていて、僅かに発酵させてすぐに加熱をして発酵を止めます。その際はとろ火で乾燥させ、揉み込むことなく発酵を少なくゆっくり進ませます。

白茶の名前の由来は、葉っぱの産毛の見た目が白く見えるところからが由来です。白茶は主に高級品として取引されることが多く、白茶は全体的に値段が高いことが多いです。

茶葉の種類は白毫銀針、白牡丹、白毫など様々あり、スーパーよりもお茶の専門店などで販売されていることが多いです。

6大茶種で最も貴重!黄茶とは?

黄茶は酸化により発酵させた酸化発酵をメインとして発酵させたお茶です。

緑茶は一気に加熱して酸化を抑えて仕上げますが、黄茶はゆっくりと加熱していく製法です。

また黄茶は悶黄という熟成をしてお茶を仕上げていきます。製造量は年に数百キロ程度とほとんど製造させることがないため、六大茶種で最も貴重なお茶です。種類は主に君山銀針や霍山黄芽の2種類です。

まるでワイン?熟成された黒茶とは

黒茶は緑茶と同様に初期段階で加熱しますが、加熱後に発酵させて作るお茶で各地により製法が大きく異なるため一概に作り方が存在しないです。

黒茶はプーアル茶の一種に分類され、天然で発酵させる生茶やコウジカビを使用し後発酵させたお茶で、黒茶は六大茶種の中で唯一微生物を使用し発酵をおこないます。

他のお茶の市場の評価は、新鮮な茶葉の価値が高いのですが、黒茶は長期間熟成された茶葉の価値の方が高いです。

保存期間は、最短でも2年ものが多く中には100年を超えて長期保存された茶葉もあり、ワインのような熟成した茶葉が高値で取引されています。

代表的な茶葉はプーアル茶(普洱茶)の原産である雲南省や六堡茶は広西チワン族自治区梧州市の原産の茶葉など種類があります。 

中国茶の歴史

上流階級を中心に親しまれていた時代

中国茶の最初期は神話の時代まで遡るほど長くの間親しまれています。

漢方の発祥地でもあり、お茶が広まり始めた当初は漢方の一種として飲まれていました。

この神話の時代に登場するお茶が、今現在私たちが親しんで飲んでいるお茶と同一のものか確認することはできませんが、太古の時代に親しまれていたお茶という漢字は次第に今現在使用されている茶という感じに移り変わりました。

三国志時代には私たちが親しんでいる茶という漢字で使用されていて、漢の時代にはお茶が多くの人で楽しまれています。

お茶は当初漢方と同じで薬として使用されていましたが、次第にお茶の役割は変化します。

いつの時代に変化したかについてはわかっていませんが、おおよそ唐の時代(618年から907年)には、お茶を飲むという習慣が中国全体へ伝わります。

当時親しまれていたお茶は、蒸した茶葉を固めて乾燥させた餅茶というのが広がっています。

この頃に茶経とよばれる世界で最も古いお茶の本が書かれていて、内容は多岐に渡ります。

例えば入れ方やお茶の起源、茶道具、入れ方や飲み方などお茶の作法が含まれた3巻10章に渡り書かれている書物です。

庶民にも徐々に広がった時代のお茶とは?

宋の時代に入ると庶民へもお茶が広まり、貴族や役人といった上流階級だけでなく庶民もお茶を楽しむようになります。

お茶の楽しみ方は多岐にわたるようになり、書を書く際に飲むことや哲学を論じた際に飲むなど様々な場合に飲まれるようになりました。

また闘茶というお茶の美味しさや良い種類や悪い種類といったお茶のランクを決めるようになり、お茶の楽しみ方もお茶の葉をすり潰して粉末状にして茶碗の中に入れてかき混ぜて飲むという方法がとられるようになりました。

またお茶の種類も餅茶を主体としていたところから製法が複雑となり片茶や団茶と呼ばれるお茶が主流となりました。

今につながる元のお茶ができた!お茶の大革命時代とは

お茶は、上流階級では喫茶と呼ばれる習慣が根付いていましたが、市民には普及していませんでした。

しかし明の時代に入ることで喫茶という習慣が広がりました。

製法も大きく変わり、団茶は作るのが難しく散茶が本格的に楽しまれるようになり、主流となりました。

また香料としてジャスミン花などの香りを葉につけて飲まれるようになるなどバリエーションが増えました。

お茶の完成時代である清の時代とは?

中国茶葉や道具がほぼ完成し、茶文化は最盛期を迎えます

香りを楽しむお茶やジャスミン茶などの花の香りを茶葉につけるなどさらにバリエーションは増え、様々な方法で飲まれるようになりました。

現在親しまれている中国茶の種類は1000種類を超えていて、各地に種類の違うお茶が発展していきます。

中国茶に関する興味深い逸話・教養・豆知識など

中国茶にはいくつかの逸話や教養、豆知識などがあります。

ここでは3つの話を紹介し、中国茶の知識を深めていきましょう。

お茶のティーとは中国語由来の言葉だった?

日本では奈良時代にはすでにお茶があったとされていますが、この茶は「チャイ」を由来としてできた言葉です。

「チャイ」や「チャーイ」は日本に加えて中東、インド、ロシアなどで似たような呼ばれ方がされています。

欧米では、お茶のことを「ティ」や「テ」と呼び欧米の言葉でも中国語を由来としてできている言葉です。

中国の主要言語である北京語ではお茶のことを「チャア」や福建語では「スーチョン」や「ペコー」と呼びます。

なぜ欧米とロシアやインド、日本と呼び方が異なるようになったかというと、ロシアやインド、日本は中国と陸続きとなっているためシルクロードを経由して広まり、欧米に広まる前に多くの人が親しんでいました。

欧米にお茶が伝わったのは大航海時代後の船での輸出のため、福建語が伝わったのだと推測されています。

中国茶が引き起こした?アヘン戦争の原因は紅茶だった!

1800年代はイギリスで紅茶が大流行し、高い人気を誇りました。

イギリスは紅茶や骨董品を中国からの輸入に頼っていましたが、イギリスから中国へ売るものが少なく貿易赤字が膨らみました。

赤字を補填するため大量の銀を輸出しましたが、この状況を打開するためにイギリスは中国に対してアヘンを輸出し、中国人を廃人にしてしまったのです。

これに対して中国はアヘン取締担当大臣を任命し、アヘンの密売を取り締まるとイギリスは逆上し議会で中国を弾圧し、軍艦を派遣し武力行使に出ます。

小競り合いをしたのちにイギリスは皇帝のいる北京の近くである天津を攻め、アヘン担当大臣を左遷させるように要求し、皇帝は要求を承諾しました。

終戦するために南京条約を結び、香港を1999年まで租借することを合意しました。

イギリスで紅茶が大流行してしまったばっかりに引き起こされてしまった戦争になります。

中国茶の保存方法とは

中国茶は多くの種類があり種類ごとに保存方法が異なります。ここでは緑茶と烏龍茶の保存方法を紹介し、自宅での保存方法の参考にしてください。

冷蔵庫で一定の温度で保存する!緑茶の保存方法

緑茶は、冷蔵庫に入れることが最も保存状態がよくなり美味しく飲むことができます。美味しく保存するためには3つのPointを守ることでより美味しく飲むことができます。

  1. 酸化を防ぐために酸素に触れさせる時間を減らす
  2. 温度を一定に保ち低い温度で保存すること
  3. 直射日光を避ける

3つのPointを守るためには冷蔵庫が一番保存状態をよくして飲むことができます。

常温で保存しよう!烏龍茶の保存方法

葉の茶色い烏龍茶などの種類は常温で保存することが美味しく飲むことができる方法になります。4つのPointを守ることで美味しい状態を保つことができます。

  1. 常に常温を保ち冷蔵庫や冷凍庫に入れない
  2. 直射日光を避け、暗い場所に保管する
  3. 湿気がないこと
  4. 保存する際は常にミップすることができるものを選択する

烏龍茶は常温で保存し時間が経つにつれて、烏龍茶などの茶色い葉のお茶はまろやかな味わいになります。